不動産は世界のCO2排出量の約40%を占める巨大なCO2排出元であり、人々が1日の約90%の時間を過ごす場所であるなど、脱炭素社会へ向け大きな鍵を握るセクターです。
世界の主要都市では不動産に対する脱炭素規制が拡がり、不動産投資をする機関投資家にとって脱炭素への対応は、経済的なパフォーマンスを大きく左右する要素となっています。
当イベントでは、不動産アセットマネジメントにおける世界的脱炭素推進ツールCarbon Risk Real Estate Monitor(CRREM)の活用事例と、グローバル機関投資家が世界の各都市で取り組む不動産発の脱炭素事例、東京都がスタートアップと推進するBe Smart Tokyoプロジェクトでの取組事例から、今後のヒントを探ります。ネットワーキングでは、不動産、金融業界のプレーヤーとCIC Tokyoを拠点とする環境系スタートアップの交流機会をご提供します。
CRREM Japan Forum 2024
2050年ゼロカーボンに向けた不動産と気候テックの協働
世界最大級の機関投資家達が登壇!2024年5月28日(火) 開催
脱炭素への大きな責任を担う不動産
プログラム
Session 1
17:00 - 17:15
2050年カーボンゼロへ向けた不動産マネジメントツール「CRREM」
ジュリア・ヴァイン(CRREM オペレーショナル・リード)<オンライン>
Session 2
17:15 - 17:30
CRREMの国内での活用事例
堀江 隆一氏(CSRデザイン環境投資顧問株式会社 代表取締役)<現地>
Session 3
17:30 - 17:50
Be Smart Tokyo:
官民 + スタートアップで加速するCBD発の脱炭素化
伊藤 幸彦(株式会社GOYOH 代表取締役、 CRREMグローバル科学&投資家委員会メンバー)<現地>
溝手 翠(CIC Institute Project Manager & 環境エネルギーイノベーションコミュニティ運営事務局 )<現地>
Session 4
18:00 - 18:45
CRREMの活用とグローバルな不動産脱炭素事例
ジョーイ・アウン氏(サヴィルズ・インベストメント・マネジメント社 ネットゼロ&サステナビリティ リード)<オンライン>
トーラス・クワン氏(AEW社 リージョナルESGマネージャー)<オンライン>
シンディ・グエン氏(ESR社 ESR Data Centres シニアサステナビリティマネージャー)<オンライン>
Session 5
18:45 - 19:00
エンジニアリングを通じた不動産の脱炭素化
木下 敬雄氏(ダイキン工業株式会社 サービス本部 事業戦略グループ)<現地>
※プログラムは予告なしに変更することがあります。
講演者
グローバルな不動産市場のリーダー達が講演者として登壇します
ジュリア・ヴァイン
2018年にIRE|BSレーゲンスブルクで不動産管理と開発、不動産投資と融資を中心に修士課程を修了。2019年初めから不動産評価と不動産コンサルティングに従事し、2020年からは不動産セクターの持続可能性を高めるための外部博士候補生としても活動している。2023年1月からCRREMイニシアチブの運営管理を担当。
堀江 隆一氏
金融機関勤務を経てCSRデザイン環境投資顧問株式会社を設立。不動産投資運用へのESG組込みに係る支援業務や、環境不動産・サステナブルファイナンスに関する調査業務を行う。国土交通省「ESG投資の普及促進に向けた勉強会」座長、「国連環境計画・金融イニシアティブ」不動産WG特別顧問などを歴任し、現在は「責任投資原則(PRI)」不動産アドバイザリー委員会メンバーなど、多数の委員会で活躍を拡げる。
溝手 翠
米国州立大学を卒業後、デロイトトーマツコンサルティングにてAI・ロボティクス業界の戦略案件等に従事。後に米国にて同事業のプロダクトローンチをProject Managerとして牽引。その後、米国発スタートアップの日本拠点立ち上げを、営業・事業開発リードとして従事し、2023年7月よりCIC Instituteにてスマートシティ及び環境領域のスタートアップ支援業務に携わる。
伊藤 幸彦
2006年に23歳でニューヨークにて不動産への投資・ 運営会社を起業。2008年に(株)アスタリスクを創業、グローバルな機関投資家、投資ファンド、超富裕層などが求める、不動産のソフト価値を最大化するソリューションを提供する。2018年、不動産テック事業に特化したスタートアップ(株)GOYOHを創業。グローバル投資家の視点からのESGによる不動産のソフト価値と社会的インパクトを追求するサービス「EaSyGo」サービスを展開する。
ジョーイ・アウン氏
建築家および公認技術者として建築設計、都市エネルギー計画、サステナビリティ・コンサルタント、環境エンジニアリングなど、10年近くにわたる多様な専門知識を有する。サヴィルズ・インベストメント・マネジメント社のネットゼロ&サステナビリティ リードとして、ネットゼロ戦略やプログラムをグローバルに開発、実施し、2040年の目標達成に向け、同社の長期的且つ持続可能なビジネス展開に向けて尽力。以前はアラップやフォスター+パートナーズといった著名な組織で経験を積んだ。
サステナビリティとビジネスマネジメントの分野で複数の学位と資格を持ち、LEEDとWELLの認定プロフェッショナルでもある。
トーラス・クワン氏
2022年よりAEWのリージョナルESGマネージャー。APACポートフォリオ全体のファンドサイクルにおけるレジリエンス戦略の監督と実行を担当。10年以上の不動産経験を持ち、環境経済学と投資管理学の学歴を持つ。また、以前は公共セクター、企業、金融サービスの顧客向けにESGおよび持続可能性に関するコンサルティング業務に従事。
シンディ・グエン氏
データセンター、ホスピタリティ、商業施設、住宅など多様なセクターで12年以上に渡り従事。ビジネス・サステナビリティ・マネジメント、コーポレートESGレポーティング、気候リスク評価、再生可能エネルギー、カーボンマネジメント、グリーンビルディングの設計と認証における包括的なスキルを有する。現在はESRで脱炭素戦略、ステークホルダー・エンゲージメント、ESGレポーティングを含むデータセンターのESGアジェンダを推進。
シンガポール国立大学で修士号(プロジェクト・マネジメント)、NTUで学士号(環境工学)を取得。ケンブリッジ大学ビジネス・サステナビリティ・マネジメント、CFA協会ESG投資、LEED、グリーンマーク認定プロフェッショナル、データセンター・プラクティショナーの資格を持つ。
木下 敬雄氏
ダイキン工業株式会社へ入社後、アフターサービス部門でエンジニアとして顧客対応を経験。ビル設備管理の関連会社設立と同時に同社へ出向、ビル設備管理および設備改修、計装業務に従事。ダイキン工業へ復帰後、ビルの省エネソリューションを提供する部署の立ち上げに参画し、省エネ診断を起点とした運用改善や設備改修の支援を400件以上実施。顧客に寄り添う形でエネルギーの運用改善を実現し、省エネ大賞を5件受賞。現在は、不動産の脱炭素と快適性の両立を目指したグリーンビルサポートの事業化に取り組んでいる。
一般社団法人グリーンビルディングジャパン個人正会員、CASBEE不動産評価員。
ABOUT CRREM
CRREMについて
Carbon Risk Real Estate Monitor(CRREM)は、欧州連合(EU)の支援のもと発足した不動産の脱炭素化を推進する取り組みです。パリ協定に定められる2℃、1.5℃目標に整合するGHG排出量の脱炭素経路(de-carbonization pathway)を算出し、不動産ポートフォリオの脱炭素とリスク管理の指針となるツールを提供しています。
欧州を代表する機関投資家APG、PGGM、NBIM(ノルウェー中央銀行投資管理部門)により発足され、日本からはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、CSRデザイン環境投資顧問株式会社、株式会社GOYOHが賛同・参画しています。
CRREM USERS
CRREMの活用
不動産投資を行う世界中の機関投資家、不動産ファンド、デベロッパー、建設会社、金融機関、政府系機関がCRREMを活用しています。
- 将来的な炭素リスクの診断
- 脱炭素計画の策定
- ネットゼロのための資本的コストの算定
- 不動産投融資におけるデューデリジェンス
など
月間プロパティマネジメント掲載 活用事例記事
前回のイベント
CRREM Japan Forum 2023 – 7/10 CIC Tokyo & Online開催
OCBC(華僑銀行)サステナビリティオフィスEDのベンジャミン・タウェル氏、Nuveen Real Estateアジア太平洋サステナビリティ・ヘッドのマーク・キャメロン氏、 NBIM(ノルウェー中央銀行投資管理部門)アジア統括のタイミ大洋氏が、海外におけるCRREMを活用した脱炭素への取り組みを紹介。高木智子氏(CSRデザイン環境投資顧問株式会社 執行役員 パートナー)には、国内での活用について深掘りしていただきました。その他、株式会社エナーバンクやパーセフォニ・ジャパンといった最新鋭の気候テックスタートアップやPATRIZIAの気候VC、Sustainable Future Venturesにより、世界で運用される脱炭素テクノロジーが紹介されました。